うつ病や適応障害で休職する際の診断書のもらい方は?費用や注意点など徹底解説!

休職が必要になった際、「休職のための診断書のもらい方が分からない」「医師にどう伝えればいいの?」と不安に感じる方は多いでしょう。診断書は、会社に休職を申請する上で非常に重要な書類です。しかし、普段あまり馴染みのない書類のため、どのように取得すれば良いのか戸惑ってしまうのも無理はありません。

この記事では、休職診断書のもらい方について、具体的なステップを追って詳しく解説します。適切な医療機関の選び方、医師への効果的な伝え方、気になる費用や期間、診断書の内容、さらにはもらえないケースとその対処法、会社への提出方法まで、休職診断書の取得に関するあらゆる疑問にお答えします。

この記事を読めば、休職診断書のスムーズな取得方法が分かり、安心して次のステップに進むことができるでしょう。ぜひ最後まで読んで、休職に向けた準備を進めてください。

休職の診断書とは?なぜ必要?

休職診断書とは、病気や怪我、精神的な不調などにより、現在の業務を継続することが困難であると医師が診断し、一定期間の休養が必要であることを証明する書類です。正式には「診断書」と呼ばれ、休職の理由や期間、病状などが記載されます。

休職の診断書の目的と役割

休職の診断書の主な目的は、労働者が業務を遂行できない健康状態にあることを医学的に証明することです。この診断書があることで、会社は従業員の健康状態を把握し、適切な休職措置を講じることができます。

また、診断書は単に休職を認めてもらうだけでなく、以下のような場面でも重要な役割を果たします。

  • 会社の規定に基づく休職手続き: 多くの会社では、休職の申請に際して医師の診断書提出を義務付けています。診断書がなければ、休職が認められない場合があります。
  • 傷病手当金の申請: 健康保険から支給される傷病手当金は、病気や怪我で会社を休み、給与の支払いを受けられない期間に、被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。この申請には、医師が療養のために労務不能であることを証明する診断書(またはそれに代わる証明)が必要不可欠です。傷病手当金に関する詳細な情報は、傷病手当金の支給について(https://www.aisin-kenpo.or.jp/content/wp-content/uploads/2207qa_list.pdf)などもご参照ください。
  • 会社の休職期間の管理: 診断書に記載された療養期間に基づき、会社は従業員の休職期間を管理し、今後の復職支援などを計画します。
  • ハラスメントなどが原因の場合の証拠: 職場でのハラスメントなどが原因で心身の不調をきたした場合、診断書はその事実を客観的に証明する証拠となり得ます。

このように、休職診断書は休職という働き方の大きな変化を会社に理解してもらい、公的な支援を受けるためにも欠かせない、非常に重要な書類なのです。

会社が診断書を求める理由

会社が休職申請に対して診断書を求めるのは、主に以下のような理由からです。

  • 休職の正当性の確認: 診断書は、従業員が健康上の理由で本当に就労が困難であることを医学的に証明する唯一の書類です。これにより、会社は休職の必要性とその期間の妥当性を判断できます。
  • 労務管理上の必要性: 休職は、会社にとって人員計画や業務分担に影響を与える重要な事柄です。診断書に基づき、会社は安心して休職を承認し、代替要員の配置や業務の引き継ぎなどの手配を進めることができます。
  • 法的・規程上の要請: 多くの会社の就業規則には、休職申請には医師の診断書が必要である旨が明記されています。これは、労働契約における労務提供義務の免除という重要な変更を行うための正式な手続きとして定められています。
  • 安全配慮義務: 会社には、従業員が安全かつ健康に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があります。体調不良の従業員に無理な就労を続けさせることは、安全配慮義務違反となる可能性があります。診断書は、会社が従業員の健康状態を正確に把握し、適切な対応(休職など)を取るための判断材料となります。
  • 傷病手当金等の手続き支援: 会社が傷病手当金などの申請手続きを代行したり、従業員が申請する際に情報提供したりする場合、診断書はその基礎となる書類となります。

これらの理由から、休職を希望する際は、原則として医師による診断書が必須となります。まずは診断書を取得するためのステップを踏むことが、休職への第一歩となります。

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休職診断書をもらう流れ・具体的なステップ

休職診断書を取得するには、いくつかのステップがあります。事前に流れを把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

Step1: 自身の状況を確認する

診断書をもらいに医療機関を受診する前に、まずはご自身の状況を整理しましょう。

  • なぜ休職が必要だと感じるのか: どのような症状があり、それが仕事や日常生活にどのような影響を与えているのかを具体的に整理します。例えば、「朝起きるのが辛く、会社に行く前に吐き気がある」「業務に集中できずミスが増えた」「以前は楽しかったことが楽しめなくなった」「体の痛みで業務が続けられない」など、具体的なエピソードをメモしておくと良いでしょう。
  • 症状はいつから続いているのか: 発症時期や、症状の経過(良くなったり悪くなったり、徐々に悪化しているなど)を整理します。
  • 会社の休職制度について確認する: 可能であれば、会社の就業規則や人事担当者に確認し、休職制度の有無、休職期間の上限、診断書の提出義務や書式について確認しておきましょう。休職中の社会保険取り扱い指針(https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html)なども参考になります。特定の書式がある場合は、受診時に医師に渡す必要があります。

自身の状況を整理しておくことで、医師に症状や困っていることを正確に伝えやすくなります。また、会社の制度を事前に知っておくことで、診断書に記載してほしい内容(例:最大〇ヶ月の休職期間が可能か、特定の業務への配慮が必要かなど)を医師と相談する際の参考になります。

Step2: 適切な医療機関を選ぶ

休職診断書を発行してもらうためには、まず医師の診察を受ける必要があります。ご自身の症状に合わせて、適切な診療科を選びましょう。

心療内科・精神科を選ぶケース

精神的な不調(うつ病、適応障害、不安障害、睡眠障害など)が原因で休職を検討する場合、心療内科や精神科を受診するのが一般的です。

  • 心療内科: 主に心身症(ストレスが原因で体に症状が現れる病気)を扱いますが、うつ病や不安障害なども診察します。体の症状が強く出ている場合に適していることがあります。
  • 精神科: 気分障害(うつ病、双極性障害など)、統合失調症、不安障害、睡眠障害など、精神疾患全般を専門とします。

どちらを受診すべきか迷う場合は、症状の種類(体の症状が主か、気分の落ち込みや意欲低下が主かなど)や、クリニックのウェブサイトに記載されている診療内容を参考に決めると良いでしょう。かかりつけの内科医に相談して紹介してもらうのも一つの方法です。

予約が必要な場合がほとんどなので、事前に電話やインターネットで確認しましょう。特に心療内科や精神科は予約が取りにくいこともあります。

その他の診療科を選ぶケース

怪我や身体的な病気(腰痛、神経痛、がん、心疾患、難病など)が原因で就労が困難な場合は、その病気や怪我を専門とする診療科を受診します。

  • 内科: 風邪や感染症が長引いている、原因不明の体調不良、糖尿病や高血圧などの持病悪化など。
  • 整形外科: 骨折、ぎっくり腰、ヘルニア、関節炎など、運動器の怪我や病気。
  • その他専門科: 病気の種類に応じた診療科(循環器内科、消化器内科、脳神経外科、皮膚科など)。

すでにこれらの診療科で治療を受けている場合は、現在診察を受けている医師に相談するのが最もスムーズです。病状をよく知っている医師であれば、休職の必要性を判断しやすく、適切な診断書を作成してもらえる可能性が高いです。

初めて受診する場合は、症状に合わせて適切な診療科を選び、予約が必要か確認して受診しましょう。

Step3: 受診して医師に相談する

適切な医療機関を選んだら、いよいよ受診です。診察時には、自身の状態を医師に正確に伝えることが非常に重要です。

受診時の伝え方のポイント

休職診断書が必要であることを医師に伝える際は、以下の点を意識しましょう。

  • 正直かつ具体的に症状を伝える: いつから、どのような症状(体の痛み、だるさ、気分の落ち込み、不眠、食欲不振、集中力の低下など)が、どのくらいの頻度や強度で現れているのかを具体的に話します。
  • 症状が仕事にどう影響しているかを伝える: 「業務に集中できずミスが増えた」「通勤が困難になった」「職場での人間関係が負担になっている」「朝起きられず遅刻が増えた」など、症状が原因で仕事に支障が出ている状況を具体的に伝えます。
  • 日常生活への影響を伝える: 仕事だけでなく、「家事ができない」「趣味を楽しむ気になれない」「人と会うのが億劫になった」「食事が喉を通らない」など、日常生活にも影響が出ている場合は、その状況も具体的に伝えます。
  • 休職を希望していることを明確に伝える: 診察の冒頭や適切なタイミングで、「現在の体調では仕事を続けるのが難しいため、休職について相談したい」「休職するための診断書が必要かどうか先生のご意見を伺いたい」など、休職を希望している旨を伝えます。
  • 会社の休職制度や求められている診断書について伝える: 事前に会社の休職制度について確認している場合は、その内容(例:〇ヶ月休める可能性がある、会社から診断書に書いてほしい内容の要望があるなど)を伝えると、医師が診断書を作成する際の参考になります。会社指定の診断書フォーマットがある場合は、忘れずに持参し医師に渡しましょう。

医師は、患者さんの訴えと診察の結果、必要な検査などから総合的に判断して診断を下します。休職の必要性についても、医学的な見地から判断を行います。ご自身の状況を正確に、そして正直に伝えることが、医師が適切な診断を下し、診断書を作成する上で非常に重要となります。

Step4: 診断書の発行を依頼する

診察の結果、医師が休職が必要であると判断した場合、診断書の発行を依頼することができます。

診察の最後に、医師から病状の説明や今後の治療方針について話がある際に、「会社に提出するための休職診断書を発行していただけますでしょうか?」と依頼しましょう。

医師によっては、診察の中で自然と診断書の話になることもありますが、そうでない場合は遠慮せずに自分から依頼することが大切です。

診断書に記載してほしい内容(特に希望する休職期間や、会社への具体的な配慮のお願いなど)があれば、このタイミングで医師に相談してみましょう。ただし、最終的な記載内容は医師の医学的な判断に基づきます。会社の書式がある場合は、必ず医師に渡して記入してもらいます。

Step5: 診断書を受け取る(費用・期間)

診断書の発行を依頼した後、いつ受け取れるのか、費用はいくらかかるのかが気になるところでしょう。

診断書の発行にかかる費用

診断書の発行費用は、病気の治療とは異なる自費診療となるため、健康保険は適用されません

そのため、全額自己負担となります。

費用は医療機関によって異なり、一般的には3,000円〜10,000円程度が相場とされています。シンプルな診断書であれば比較的安価ですが、詳細な病状説明や意見の記載が必要な場合、複雑な病気の場合などは費用が高くなる傾向があります。

事前に医療機関の受付などで診断書の発行費用について確認しておくと安心です。特に、傷病手当金申請に必要な診断書など、特定の目的の診断書は費用が異なる場合もあります。

即日発行は可能か?

診断書の即日発行が可能かどうかは、医療機関や医師の状況によります。

  • 即日発行が可能なケース: 比較的シンプルな病状の場合や、患者さんが多くない日、医師の事務作業に余裕がある場合などは、診察当日に診断書を発行してもらえることがあります。
  • 即日発行が難しいケース: 患者さんが多い日、医師が多忙な場合、診断書の内容を慎重に検討する必要がある場合、特別な書式への記載が必要な場合などは、後日の発行となることが一般的です。数日~1週間程度かかる場合もあります。

即日発行を希望する場合は、受診予約の電話や受付で「休職診断書の即日発行は可能でしょうか?」と確認してみるのが良いでしょう。ただし、あくまで医療機関側の都合や医師の判断によるため、確約はできません。後日受け取りになった場合は、郵送してもらえるか、再度来院する必要があるかなどを確認しておきましょう。

診断書の受け取り時には、内容に間違いがないか(氏名、生年月日、病名、期間など)をその場で確認することをおすすめします。

休職診断書に記載される主な内容

休職診断書には、医師が判断した医学的な情報や、療養・就労に関する意見が記載されます。主な記載内容は以下の通りです。

記載項目 内容例 備考
氏名 患者さんの氏名 本人確認のため重要
生年月日/年齢 患者さんの生年月日または年齢
病名 医師が診断した病名(例:うつ病、適応障害、腰部椎間板ヘルニア、胃潰瘍など) 正式名称で記載される
症状 現在の主な症状(例:抑うつ気分、不眠、全身倦怠感、腰痛、吐き気など) 病名の補足として、具体的な状態を示す
初診日 その疾患で初めて当該医療機関を受診した日
診断日 診断書を作成した日
療養期間 休養が必要であると医師が判断した期間(例:令和〇年〇月〇日より〇ヶ月間の自宅療養を要する、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日まで休職を要する) 具体的な期間が記載される。会社によっては、開始日や終了日の書き方について指定がある場合も。
就労に関する意見 現在の就労に関する医師の意見(例:上記期間中は就労困難である、自宅療養が必要である、通勤が困難である、〇〇業務への従事は避けるべきである、時短勤務からの開始が望ましいなど) 医師が患者さんの状態を見て、どのような働き方が可能か、または不可能かを判断した意見
医療機関名 診断書を発行した医療機関の名称
医師名/署名 診断書を作成した医師の氏名と署名/記名押印 診断書の有効性を証明するもの

病名や症状

病名については、国際疾病分類(ICD)などの正式な分類に基づいた診断名が記載されます。精神的な不調の場合は「うつ病」「適応障害」、身体的な不調の場合は「腰部椎間板ヘルニア」「胃潰瘍」などです。

症状の記載では、病気によって具体的にどのような困った状態にあるかが示されます。例えば、「抑うつ気分が強く、日常生活に支障をきたしている」「腰痛がひどく、座っていることや歩行が困難」など、症状の程度や具体的な影響が記載されることが多いです。

療養期間

最も会社が注目する項目の一つが、この「療養期間」です。「〇ヶ月間の自宅療養を要する」「〇月〇日から〇月〇日まで休職を要する」など、具体的な期間が記載されます。この期間は、医師が患者さんの病状や回復の見込みなどを考慮して判断します。

会社の休職制度で定められている期間の上限がある場合、その期間に合わせて診断書を依頼することも可能ですが、最終的な期間の決定は医師の判断によります。例えば、「最大6ヶ月休職可能なので、まずは3ヶ月の診断書がほしい」といった相談は可能です。

就労に関する意見

「就労困難」「自宅療養が必要」といった一般的な意見の他、具体的な業務への配慮に関する意見が記載されることもあります。例えば、精神的な不調であれば「対人業務は避けるべき」、身体的な不調であれば「重量物の取り扱いは避けるべき」「長時間のデスクワークは困難」など、医師が患者さんの状態を見て、業務遂行上の具体的な制約や配慮が必要であると判断した内容が記載されます。

この「就労に関する意見」は、休職中だけでなく、将来的に復職を検討する際にも、会社が配置や業務内容を検討する上で参考にする重要な情報となります。

診断書の内容について疑問や会社への要望(記載してほしい内容など)がある場合は、診断書発行時に医師に遠慮なく相談しましょう。

休職診断書をもらえないケースとその対応

医師の診察を受けても、必ずしも休職診断書を発行してもらえるとは限りません。特に精神科領域における診断書の適正な発行については、精神科医療における休職診断書の適正な発行に関する指針(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000987654.pdf)なども示されています。診断書がもらえないケースと、その場合の対応について解説します。

診断書が発行されない主な理由

医師が休職診断書の発行を見送る、あるいは診断書の内容が希望と異なる(例:休職ではなく時短勤務を推奨するなど)主な理由には以下のようなものがあります。

  • 医師が休職の必要性を認めない: 患者さんの訴える症状や診察結果から、医師が現在の健康状態では直ちに休職するほどの医学的な必要性はないと判断した場合。
    例えば、疲労やストレスが原因でも、休息や軽い治療で改善が見込めると判断される場合などです。
  • 症状が軽微である: 患者さん自身は辛くても、医学的に見て就労が不可能と判断されるほどの重症度ではない場合。
  • 不正な目的と疑われる: 病気や怪我以外の理由(例:単に仕事に行きたくない、転職活動に専念したいなど)で休職を希望していると医師が判断した場合。医師は医学的な根拠に基づいて診断書を作成するため、不正な理由での発行はできません。
  • 診断が確定しない、経過観察が必要: まだ診断が確定しておらず、もう少し治療を進めたり経過を見たりしないと、休職の必要性や期間を判断できない場合。
  • 主治医ではない(セカンドオピニオン目的など): 既に別の医師から診断を受けている場合や、単にセカンドオピニオンを求めている場合など、その場で診断書の発行が難しいと判断されることがあります。診断書は基本的に、その患者さんの主治医が発行するのが望ましいとされています。

もらえない場合の対処法(セカンドオピニオンなど)

もし医師に休職診断書の発行を断られた場合や、内容が希望と異なった場合は、以下の対処法を検討しましょう。

  • 医師に理由を尋ねる: なぜ診断書の発行が難しいのか、またはなぜ希望する内容で記載できないのか、医師に丁寧に理由を尋ねてみましょう。医師の判断の根拠を知ることで、納得できる場合もあります。
  • 自身の状況を再度詳しく説明する: もしかしたら、医師に症状や仕事・日常生活への影響が十分に伝わっていなかった可能性があります。整理しておいた自身の状況を、具体的なエピソードを交えて再度詳しく説明してみましょう。
  • 治療計画について相談する: 休職が難しい場合でも、現在の症状に対する治療方針や、仕事との両立のためにできること(例:業務内容の変更、時短勤務、部署異動など)について医師に相談してみましょう。診断書には、休職ではなく、そうした配慮が必要である旨を記載してもらえる可能性があります。
  • 別の医師に相談する(セカンドオピニオン):現在の医師の診断や判断に納得できない場合は、別の医療機関の医師に相談してみる(セカンドオピニオンを求める)ことも一つの方法です。特に精神的な不調の場合、医師との相性も重要です。別の医師が、現在の症状に対して休職が必要だと判断する可能性もあります。ただし、セカンドオピニオンはあくまで現在の診断や治療方針に関する意見を聞くものであり、すぐに診断書を発行してもらえるとは限りません。新たに主治医として治療を受けることを前提に受診する必要があります。
  • 会社の相談窓口に連絡する: 診断書が取得できない場合でも、体調が悪くて就労が難しい状況は変わりません。会社の産業医や人事担当者、保健師などの相談窓口に、現在の体調と診断書が取得できなかった状況を正直に相談してみましょう。会社によっては、診断書がなくても一定期間の特別休暇や休業が認められる場合や、診断書がなくても産業医面談を経て就労への配慮や休業が検討される場合もあります。

診断書がもらえないからといって、体調不良を我慢して無理に働き続けるのは避けるべきです。必ず専門家や会社の担当者に相談し、ご自身の健康を第一に考えた対応を取りましょう。

取得した休職診断書を会社に提出する際の注意点

無事に休職診断書を取得できたら、会社に提出します。提出にあたっては、いくつか注意すべき点があります。

誰に提出するか

診断書の提出先は、会社の規定によって異なります。一般的には以下のいずれかです。

  • 直属の上司: 多くの会社では、まず直属の上司に相談・報告し、上司を通じて人事に提出するケースが多いです。
  • 人事部/総務部: 人事部や総務部が休職の手続き窓口となっている場合は、直接これらの部署に提出します。
  • 産業医/保健師: 会社に産業医や保健師がいる場合、まずは産業医面談を経て、診断書を提出するよう指示されることもあります。

会社の就業規則や、事前に人事担当者に確認した内容に従って提出しましょう。誰に提出すべきか不明な場合は、まずは直属の上司に「体調不良で休職を検討しており、医師の診断書を取得しました。どなたに提出すればよろしいでしょうか?」と相談するのが丁寧です。

提出時期

診断書は、休職を希望する旨を会社に伝え、休職の手続きを進める際に提出します。

具体的には、休職開始希望日の〇日前まで、と会社の規程で定められている場合があります。定めがない場合でも、会社が休職中の業務体制を整えたり、必要な手続きを進めたりするための時間が必要ですので、できるだけ速やかに提出することが望ましいです。

緊急性の高い体調不良で即日休職が必要な場合は、まずは会社に連絡して状況を伝え、後日改めて診断書を提出することになるでしょう。いずれの場合も、会社への報告・連絡・相談(ほうれんそう)を怠らないことが重要です。

コピーを取っておく

会社に診断書の原本を提出する前に、必ずコピーを取っておきましょう。これは非常に重要な注意点です。

コピーが必要になる理由としては、以下のようなものがあります。

  • 控えとして手元に残しておく: 診断書の内容を後で確認したり、自身の記録として保管したりするため。
  • 傷病手当金の申請に必要: 傷病手当金を申請する際に、診断書の内容(病名、療養期間など)を健康保険の申請書に転記する必要があります。コピーがあれば、手元で確認しながらスムーズに記入できます。また、状況によっては健康保険組合から診断書のコピーの提出を求められる可能性もあります。
  • 会社との認識のずれを防ぐ: 万が一、会社側で診断書の内容に関する認識のずれが生じた場合などに、手元のコピーと照らし合わせて確認することができます。

診断書のコピーは、会社への提出前だけでなく、休職中や復職時にも役立つことがありますので、大切に保管しておきましょう。

休職後の流れと診断書(延長・復職)

休職期間中や休職後も、診断書が関わってくる場合があります。治療と就労の両立支援ガイドライン(https://www.mhlw.go.jp/content/000700429.pdf)なども参考にしながら、休職期間の延長や復職を検討する際について説明します。

休職期間の延長

診断書に記載された休職期間中に病状が回復せず、当初の予定より長く休職する必要が生じることもあります。この場合、休職期間の延長手続きが必要となりますが、その際にも原則として医師の診断書が必要となります。

  • 再診察: 診断書に記載された休職期間の終了が近づいてきたら、再び主治医の診察を受けます。現在の病状、回復の程度、今後の見込みなどを医師とよく相談します。
  • 再診断書の依頼: 病状が回復しておらず、引き続き休職が必要であると医師が判断した場合、休職期間延長のための診断書の発行を依頼します。この診断書には、延長後の具体的な休職期間や、引き続き就労が困難である旨が記載されます。
  • 会社への提出: 取得した延長用の診断書を、会社の規定に従って速やかに提出します。会社は提出された診断書に基づき、休職期間の延長を承認するかどうかを判断します。会社の休職制度によっては、延長できる期間に上限が定められている場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

休職期間の終了間際に慌てないよう、期間終了の数週間前には主治医に相談し、今後の見通しについて話し合っておくことが大切です。

復職時の診断書

病状が回復し、仕事に戻れる状態になった場合、復職の手続きを進めることになります。多くの会社では、復職に際しても医師による診断書(復職可能であることの意見書)の提出を求めています。

  • 主治医との相談: 病状が回復し、働くことができると感じるようになったら、まずは主治医にその旨を伝え、復職が可能かどうか相談します。
  • 復職可能であることの意見書/診断書の依頼: 医師が患者さんの状態を見て、復職が可能であると判断した場合、復職可能であることの意見書や診断書の発行を依頼します。この診断書には、「〇月〇日より復職可能」「〇〇業務であれば就労可能」「△△に配慮が必要」など、復職の可否や就労上の注意点などが記載されます。
  • リハビリ出勤/試し出勤制度: 会社によっては、本格的な復職の前に、短い時間から出勤したり、特定の業務のみ行ったりする「リハビリ出勤」や「試し出勤」といった制度を設けている場合があります。これらの制度を利用する際にも、医師の診断書が必要になることがあります。制度の利用についても、医師に相談してみましょう。
  • 会社への提出: 復職可能の診断書を取得したら、会社の規定に従って提出します。会社は提出された診断書や、産業医面談などを通じて、復職の可否や復職後の働き方について判断します。

復職時の診断書は、単に「働ける」という証明だけでなく、どのようなペースで、どのような業務内容であれば無理なく働けるかといった、円滑な職場復帰のための重要な情報源となります。主治医と産業医の連携については、主治医と産業医の連携に関する研究報告書(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/hojokin/dl/27_14010101-02.pdf)なども参考にされると良いでしょう。医師とよく相談し、ご自身の状態に合った意見書を作成してもらうことが大切です。

まとめ:休職診断書のもらい方とポイント

「休職 診断書 もらい方」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、休職診断書のもらい方に関する重要なポイントをまとめます。

  • 診断書は休職の医学的な証明: 病気や怪我、精神的な不調で就労が困難であることを医師が証明する重要な書類です。傷病手当金の申請などにも必要となります。
  • 適切な医療機関を受診: 症状に合わせて、心療内科・精神科、またはその他の専門科を受診します。既に通院している場合は、主治医に相談するのがスムーズです。
  • 医師には正直に具体的に伝える: 症状やそれが仕事・日常生活に与える影響を正確に伝えることが、適切な診断と診断書作成につながります。休職希望であることも明確に伝えましょう。
  • 診断書発行は自費診療: 費用は医療機関によって異なりますが、一般的に数千円かかります。事前に確認しておきましょう。
  • 即日発行は確約できない: 状況によっては後日発行になることがあります。急ぎの場合は事前に確認し、余裕を持って受診しましょう。
  • 診断書の内容を確認: 病名、療養期間、就労に関する意見などが記載されます。不明な点があれば医師に質問しましょう。
  • もらえないケースもある: 医師が休職の必要性を認めない場合など、診断書が発行されないこともあります。その場合は、医師に理由を尋ねたり、別の医師に相談したり、会社の相談窓口を利用したりすることを検討しましょう。
  • 提出前にコピーを取る: 傷病手当金申請などに必要となるため、必ずコピーを保管しておきましょう。
  • 会社の規定に従い提出: 誰に、いつまでに提出すべきか、会社の就業規則や人事担当者に確認しましょう。
  • 休職期間の延長や復職にも診断書が必要: 期間延長や復職時には、その時点での病状に基づいた診断書が再度必要となります。

休職診断書の取得は、休職という大きな一歩を踏み出すための重要な手続きです。一人で悩まず、まずは信頼できる医療機関を受診し、医師に相談することから始めましょう。そして、会社の制度についても確認し、必要な手続きを一つずつ進めていくことが大切です。

休職は、心身の健康を取り戻すための大切な期間です。診断書を取得し、会社に提出することで、安心して治療や休養に専念できる環境を整えましょう。

免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の個人に対する医学的アドバイスや会社の規定に関する専門的な助言を行うものではありません。
個別の症状や会社の状況については、必ず医師や会社の人事担当者にご相談ください。
この記事によって生じたいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。

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